タイでガイドやドライバー、フリーランスに報酬を支払っていると、必ず出てくるのが 「源泉徴収税」「源泉徴収税の証明書(หนังสือรับรองการหักภาษี ณ ที่จ่าย)」 です。

Withholding Tax CertificateWithholding Tax Certificate

日本の年末調整に慣れていると、「これ、いつ渡すの?」「そもそも何のための書類?」
と混乱しやすいポイントでもあります。

この記事では、実際に現場で迷いやすい部分にフォーカスして、できるだけ分かりやすく整理します。

源泉徴収税の証明書とは?

หนังสือรับรองการหักภาษี ณ ที่จ่าย は、「支払う側が税金を天引きして、国に納めました」ということを証明する公式書類です。

日本でいうと、

  • 源泉徴収票
  • 支払調書

を合わせたような役割を持っています。

ポイント

  • 支払う側が発行する義務がある
  • 受け取る側は確定申告で使う

という、双方にとって重要な書類です。

どんな支払いで必要になる?

ツアーや事業をしている人に関係が深いのは、例えばこんなケースです。

  • ガイド代
  • ドライバー代
  • 業務委託費
  • フリーランスへの報酬

これらは原則として、源泉徴収の対象(多くは3%)になります。

実際の流れ(ざっくり)

① 支払うとき

例)ガイド代 1,000バーツ

  • 3%(30バーツ)を天引き
  • ガイドに渡すのは 970バーツ
  • 天引きした30バーツは、あなたが税務署へ納付

② 書類を発行

支払った内容をまとめて
源泉徴収税の証明書を作成します。

  • 原本:ガイドへ渡す
  • 控え:支払った側が保管

受け取る人は「いつ」確定申告する?

ここが、日本と一番違うポイントです。

🇹🇭 タイの場合

  • 対象期間:1月〜12月
  • 確定申告期間:翌年1月〜3月
  • 年末調整はありません

つまり、ガイドやドライバーは自分で確定申告をします。

あなたが渡す「源泉徴収税の証明書」は、そのときに使われます。

書類はいつ渡せばいい?

実務的には、以下が一番スムーズです。

ベストなタイミング

  • 1年分(例:7〜12月分)をまとめて、年内〜翌年1月上旬までに渡す

月ごとに渡す必要はありません。年まとめでOKです。

注意点

  • 年をまたいで混ぜない(2025年分は2025年分だけ)
  • 書類のコピーやPDFは必ず手元に残す

「12月分も一緒にした方がいい?」

結論は YES です。

  • 受け取る側が管理しやすい
  • 確定申告が楽
  • 渡し忘れが減る

という理由から、
1年分を1セットで渡すのが一番きれいです。

よくある誤解

「3%引いているから、申告しなくていい?」

→ ❌ 違います

3%はあくまで
仮払いの税金です。

確定申告で、

  • 払いすぎ → 還付
  • 足りない → 追加納税

となります。

「相手が申告しないなら、書類はいらない?」

→ ❌ それでも発行は必要

相手が申告するかどうかに関わらず、
支払う側の義務として発行・保管するのが安全です。

日本との違いを一言で

  • 🇯🇵 日本:会社が年末調整してくれる
  • 🇹🇭 タイ:自分で確定申告(1〜3月)

だからこそ、
源泉徴収税の証明書は、日本の年末調整に近い重要書類
と考えると分かりやすいです。

まとめ|ツアー事業者が押さえるべきポイント

  • ガイド代・業務委託費は源泉徴収対象
  • 源泉徴収税の証明書は 必ず発行
  • 書類は 年まとめでOK
  • 渡すのは 年内〜翌年1月上旬
  • 相手の申告は1〜3月

最後に

この書類をきちんと出しているかどうかで、「ちゃんとしている事業者かどうか」は、税務的にも信頼的にも大きく変わります。

最初は面倒ですが、一度仕組みを作ってしまえば、むしろトラブル防止になります。