「議事録を制する者は、仕事を制する」
皆さんもこのような言葉を上司から聞いたことはあるのではないでしょうか?
しかし、上司は実際の議事録の書き方までは教えてくれないですよね。
私もコンサルへの転職当初は上司から修正を何度も指示され苦しんでいました。
「なんでコンサルはこんなに議事録にこだわるのだろう。時間の無駄だろ。」とまで思っていました
そこで、本記事ではコンサル歴2年半の現役コンサルタントが、上司にダメ出しをされない議事録の書き方を解説します。
本記事を読むことで議事録の基本的な書き方を覚え、今後「この議事録構造化弱いから書き直して」「Aさんの発言抜けてない?」と上司にダメだしすることを減らすことができます!
そもそもなぜ議事録を残すの?
そもそもなぜ会議後に、時間をかけて議事録を書かなければいけないのでしょうか?
会議に参加していなかった人への情報共有や自分の備忘録というのが一般的な考え方です。
しかし、議事録を書く本当の目的は、「参加者の会議内容の認識を合わせ、決定事項とネクストアクションを明確にすること」です。
同じ会議に参加していても、どうしても人によって背景知識や考え方、想いが異なります。
同じ発言であっても捉え方が異なる可能性があり、捉え方がずれていると、今後の意思決定に問題をきたします。
「あの時にああ言った。こう言った」という問題が起きる可能性があります。
以上のような問題を防ぐために、議事録を書く必要があるのです。
議事録の構成要素
議事録の構成要素は大きく4つです。
この4つは確実に抜けもれなく記載するようにしましょう
- 会議の基本情報
- 決定事項
- ネクストアクション
- 議事詳細
1. 会議の基本情報
以下の5点を抜けもれなく記載します
- 会議名:「第〇回XXX定例会」などのように具体的に記載します
- 使用資料:投影した資料等のファイル名を明記します
- 日時・場所:オンラインMTGであれば、Zoomなどと記載します
- 出席者:所属部署・役職と合わせて記載しておくとベターです
- 作成者:出席者の最後に自身の名前を記載し、(記)(文責)などと記載します
2. 決定事項
会議中に合意した内容を記載します
3. ネクストアクション
決定事項に紐づく形で、5W1Hの観点から具体的な作業レベルに落ちたアクションを記載します。
4. 議事詳細
メモを基に発言を取捨選択しながら、見出しを整えて構造的に作成します。
議事録作成の流れ
議事録に記載する項目が分かったところで、実際に議事録を各手順を紹介します。
大きく3つのステップに分かれています。
1. 議事録作成準備
1-1.不明点の解消
1-2.会議の基本情報記載
2.議事録の作成
2-1.メモの文章化
2-2.発言の取捨選択
2-3.発言の構造化
3.要点抽出&レビュー
3-1. 決定事項・ネクストアクションの記載
3-2. セルフチェックレビュー
詳細を説明します。
1. 議事録作成準備
1-1. 不明点の解消
打ち合わせの議論の内容で、不明点がある場合は上司や同僚に確認をしましょう。
「不明点を聞く=会議内容を理解できていない」で恥ずかしく思う気持ちもありますが、不明点を抱えたまま議事録を書くことは非常に効率が悪いので、「xxxのことって、AAAで認識あってますかね?」というような感じで、分かっている風に確認するとベターです。
1-2. 会議の基本情報記載
前述の、会議名、参加者、日時などを正確に記載します。
クライアントによっては役職などを間違えると気分を害する人もいるので、間違えないようにしましょう。
2. 議事録の作成
こちらの各工程は並列に行います。
文章を整えつつ、不要な文章は省き、その文章を構造化していきます。
2-1. メモの文章化
会議中に取った読みづらいメモを自分が理解可能な文章レベルに修正します。
2-2. 発言の取捨選択
打ち合わせ中に書いていたメモの発言を取捨選択します
打ち合わせ中のメモは口語であり、文章として読むと意味が通じなかったり、表現が適切でないものがあるため、可能な限り客観的に文章を修正します。
重要でない発言はどんどん削りましょう。
2-3. 発言の構造化
各発言の関係性を探し、見出しをつけます。
見出しに合わせて、発言が流れに沿うように順序を入れ替えます
基本的に見出しは、打ち合わせ前に設計している会議アジェンダに沿うような形になります。
一方で議論が発散することも多々あるので、発散した内容については、自分で発言内容をグルーピングする必要があります。
ここがコンサルとしての議事録作成の腕の見せ所です。
3. 要点抽出&レビュー
3-1. 決定事項・ネクストアクションの記載
決定事項
決定事は、打ち合わせ前に確認や整理が必要であった論点に対して、どのような意思決定がされたかを記載します。
決定事項についても、大項目・小項目とグルーピングをしながら整理をすることで、構造化されことができます
ネクストアクション
5W1Hの観点を意識しながら、誰が、何を、いつまでに、どのようにやるかを明記します。
実行者や期限などは、会議中に明言されないこともあります。
議事録作成者はネクストアクションが議論中に明らかになったら、それをどうす進めるのかを会議中に確認することができるとよいですね。
3-2. セルフチェックレビュー
下記4つの観点から、自身が作成した議事録に問題がないかを確認します。
- 会話の抜けもれ
- 発言内容に抜けもれがないか?
- 構造化
- 決定事項・ネクストアクションをサポートする議事内容が構造化されているか?
- 言葉
- 誤字脱字がないか?
- 複数の意味に取れる曖昧な文言が使われていないか?
- 読み手にとって不快な言葉づかいがされていないか?
(クライアントに対して上から目線の言葉になっていないか)
- 形式
- 主語が明示されているか?
- 口語表現が使われていないか?
- 敬語表現が統一されているか?
- 文末が統一されているか?
- 例①
口語:「XXXなの?→そうです」
修正版文章:「XXXということか?→ご認識の通り」 - 例②
口語:「ここはXXにしてもいいですかね?→OKです」
修正版文章:「XXする方針でよいか。→問題ありません」 - 例③
口語「XXしてよ→OKです」
修正版文章:「XXX頂きたい→承知した」
- 例①
以上、私の経験に基づき、議事録の書き方を紹介しました。
私も転職当初は、議事録をうまく書くことができず、上司に怒られる日々が続きました。
しかし、上司からの指摘内容を意識する&セルフレビューを徹底的にすることで、少しずつ修正箇所がなくなっていきました。
本記事が少しでも皆さんの役に立つことを祈っております!!